前回は「しなかった事の後悔」についてでしたが、今回は「したことに対する後悔」についてお話をします。

 



僕の場合は、どちらかと言うと「やってしまった後悔」の方が大きいです。
僕のやってしまった後悔とは、ギャンブルです。

そもそも僕は、父の悪影響でギャンブルに対しては嫌悪感しかありませんでした。 僕の父は、ギャンブルと酒が大好きでした。 彼は、時には生活費までギャンブルに突っ込むほど、のめり込んでいました。

当たり前ですが、夫婦仲も悪くなり2人はしょっちゅう喧嘩をしていました。 口では到底母に勝てないので、父は大声でよく怒鳴っていました。

そして、ぷいっと家を飛び出しなかなか帰ってきませんでした。 残された母は、台所の片隅で悔し涙を流していました。

僕がこの世の中で一番嫌いなものは、母が泣くことです。 僕は、母を泣かす父を憎みました。 大人になっても絶対に父のようにはなりたくないと子供心に誓っていました。 父は、僕のいわゆる反面教師でした。


時は経ち、



そんな僕があろうことかギャンブルにハマってしまったのです。 やっぱり、血筋は争えないのかなぁ。


就職1年目のある日のこと、先輩に誘われてパチンコ店に行ったのが全ての始まりでした。

パチンコ店には行くのは久しぶりです。 学生時代に何度か行った事がありましたが、当時店内はもうもうとタバコの煙が立ち込めており、 おまけに騒音もひどくて、喫煙者の自分でも息苦しくなって、30分留まるのが限界でした。 お金もなく数千円があっという間になくなって、勝てる気もしませんでした。 正直、パチンコなんて時間とお金の無駄、健康に悪い場所ぐらいの認識でした。

しかし、今回は入社したばかりだし、せっかくの先輩の誘いをむげに断れなかったこともあり、 渋々付き合ったのです。

悪魔の罠が仕掛けられているとも知らずに<


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はい、パチンコ中毒一丁仕上がり!

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あんまり、やる気持ちがなかったので、取りあえず先輩の横の台でレバーを握ってました。

すると、先輩が「おい!当たったぞ!右打ちしろ!」と叫ぶのです。

僕は何のことか理解できず「右打ち?」とつぶやくと、 先輩がこうするんだよと、僕の手を取りレバーをぐいと右に回してくれました。 若かったので、コツはすぐに呑み込みました。

何とたったの500円で大当たりしたのです。

すっかり夢中になってました。

終わってみると10万円も勝ってしまったのです。

こんなに興奮したのは生まれて初めてでした。 ギャンブルで勝ったのも初めてでした。 パチンコって、こんなに面白いのかと目から鱗が落ちました。 パチンコでお金を稼ぐのってこんなに簡単なのかとも思いました。

もうだめです。女の子に恋をするようにパチンコの虜になってしまいました。 毎日パチンコ店に通うようになりました。 典型的なビギナーズラックでパチンコにハマるパターンです。

その後、たった500円で10万円も大当たりする事はなくなりました。

まあ、考えたら当たり前ですが、あの日に儲けた10万円なんて財布の中に3日ほど 滞在してくれただけでした。 万札様たちは、あっという間にチェックアウトして、元のパチンコ店にお帰りになりました。 しかもお友達を何人も連れてです。

給料も数日で使い果たし、貯金もあっという間に底をつきました。 それでもパチンコを止めるどころか、気軽に借りられる銀行のカードローンで 借金してパチンコ店に通いました。

もう完全なパチンコ中毒です。

とにかく、ギャンブルで負けた分はギャンブルで取り戻すんだとムキになっていたのです。 今から思うと、もうこの時点で負けていたんだけどね〜。 ギャンブルでも株のデイトレでも何でも勝負事は、取り戻そうと思った時点で負けているのです。 勝負事で100%勝つなんてあり得ないので、いかに損切りをして、さっと身を引けるか どうかなんですよね。

さてさて、もうこうなると坂道を転がり落ちるドラム缶です。 借金が膨れるばかりです。

「貧すれば鈍する」の言葉通り、もはや僕の脳は機能しなくなっていました。



中毒になると、仕事中だろうがいつでも頭の中はパチンコに行くことしか考えていません。 終業のベルが鳴るや否やパチンコ屋目指してエンジンをふかしていました。

「今日こそ絶対に負けた分を取り戻すぞ」とワクワクしてパチンコ店になだれ込みます。

しかし、終わってみると結果はいつものように財布の中がすっからかんです。 帰りの車の中で悔しさの余り、発狂したように「もうギャンブルはやめるぞ」と泣き叫んでいました。

毎晩、なかなか寝付けず寝返りをする度に悔しさと後悔の念が込み上げてきました。

でも、朝が来ると不思議なもので、すっかりと昨夜の悔しさが薄れてしまい、 ひょっとしたら、今日は勝てるかも知れないと思ってしまうのです。

この時点でもう120%以上のパチンコ中毒になっています。


ところで、ギャンブルとDVは似てる面がありますね。

もし、DV被害者の女性がいつも殴られるてるだけだったら、たとえ恐怖で金縛りになっていたとしても 割と早い段階でその男性から逃げるでしょうが、 典型的なDV男だとしたら、女性を酷い目にあわせても後で必ず優しくするのです。 すると、被害者女性は殴られた痛みを忘れて「やっぱりこの人は優しい人なんだ、私が側にいて守ってあげないと ダメなんだ」と思ってしまい離れられないのです。

ギャンブルも同じです。 いつも負けてばかりだとさすがに止めますが、たま〜に勝たせてくれるのです。

人間の脳は勝った時の興奮しか記憶に残らないのです。

ドーパミンのせいです。


なので、ごくたま〜に万札様が泊まりに来て頂くと、嬉しくなって、また足繁く通ってしまうのです。 するとやっぱり、せっかく泊まりに来てくれた万札様は、2泊3日でチェックアウトされます。 しかも仲間を引き連れて。
いつも同じ事の繰り返しです。
パチンコ店⇄財布空っぽ⇄帰りの車の中で泣叫ぶ⇄悔しさで熟睡できず ⇄もうパチンコをやめる決意⇄借金
こんな生活をしばらくすると、立ち直るのが難しいぐらいに傷が深くなります。
ギャンブル依存症は、精神的な病気の一種です

ギャンブル依存症は、自分の意志の力だけではどうにもできない事の方が多いのです。
その点では、アルコール依存症や薬物依存症と全く同じなのです。
でも、ある意味でギャンブルの方がたちが悪いかも知れません。
負ければ負けるほど、取り返したくてお金をどんどん使ってしまうからです・・。
負けた直後はやめようと思うのに、次の日になるとまたギャンブルをしたくなってしまう・・。
これらは、ギャンブル依存症です。
何とかしてやめたいと思っているにも関わらず、やめられないところがギャンブル依存症の恐ろしさです。 もちろん、アルコール依存も同じような感じですが、似て非なるものです。 その違いをこれから説明しますね。


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お金に絡む恐怖
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初めにギャンブル依存症は、れっきとした病気なんです。 しかも、誰もが簡単に陥ってしまうし、命に関わる怖い病気なんです。 この事を先ずは理解しなければなりません。

僕が若い時に僕の身の回りの4人の人たちが自ら命を断ちました。 この人達の死の原因はすべてギャンブルです。

彼らは全員重度のギャンブル依存症でした。 いろいろなギャンブルにはまり、借金に借金を重ねて 闇金融にも手を出して、精神的に追い詰められて 最後には自ら命を絶ちました。

<<<M.W君の場合>>>
彼は、学業優秀な男でしたが、ヤンチャな面があって高校生の時から 酒と女に浸る生活を送っていました。
彼の顔は、ワイルドなハンサムボーイだったので年上の女性からモテていました。 今で言うホストみたいに彼に貢ぐ年上の女性が常に彼の周りにはいました。
そんな生活を送っていた彼も高校を卒業すると、父親の後を継いで大工の道に入りました。 年下の女性と結婚してすぐに子宝にも恵まれて、幸せな家庭を築いて頑張ってるなぁと思ってた矢先に彼が死んだと言う連絡が入りました。
すぐさま彼の家に駆けつけると、彼は布団の中で眠っているように横たわっていました。 傍で彼の1歳になる息子が無邪気に遊んでいました。 その姿をみると何とも言えない気持ちになりました。
彼が自殺した理由は、いつの頃からか悪い連中と「賭け麻雀」をするようになり、 仕事も行かなくなり、毎日賭け麻雀に没頭するようになったらしい。
キッカケは、悪い友人に誘われて高レートの賭け麻雀店に行ったその日に100万円稼 がせてくれたのが始まりだったそうです。
多分、大工仕事で汗水流して働くのがバカらしくなったんでしょうね。 お金が出来ると生活が一変して派手になり、お酒とおねーちゃん達と遊ぶようになりました。
そんな生活が1年も経たないうちに彼の家の納屋で首を吊ったのです。
残された借金は3000万足らずとの事でした。


<<<S.K君の場合>>>
彼は当時30代で子供2人がいました。2人目はまだ生まれたばかりです。 父親が運営していた会社を父が急死したので引き継いだばかりでした。
彼も元来のギャンブル好きな人間であり、彼がのめり込んだのは「競艇」でした。 彼の会社の業績が悪く、彼は資金を借りるために年がら年中奔走していました。
彼の会社は、まったくどこの銀行も相手にしてくれなくなり、闇金融に手を出すようになりました。 この頃になると、競艇場で彼を見かける事がよくあると耳に入ってくるようになりました。
案の定、彼が死んだという連絡がほどなくして入りました。 空き家になっている彼の父親の家で首を吊ったとのことです。 傍に遺書が残されていました。 「保険金が出たら、〇〇に〇〇円を支払ってくれ」と言う内容でした。
この事からも分かるように、彼は完全に追い詰められて、自殺というよりは殺されたのです。 警察は、事件性はなく自殺として片付けましたが・・・。


<<<T.Hさんの場合>>>
彼は、40代半ばの独身男性。 ある大手パチンコ店の店長でした。 (このパチンコ店は、この後にお話しする女性がトイレで首を吊って死んだ店であり、現在は潰れています。)
彼がのめり込んだのは、「競輪」でした。 だいたいギャンブル系で勤める人には2種類の人がいるみたいであり、ギャンブルが好きな人か嫌いな人 に分かれるそうです。
しかし、好きな人は異業種のギャンブルをするみたいです。 やはり、同業種だと差支えがあるのでしょうね。 例えば、パチンコのカラクリが解っていたら、バカらしくてやってられないのでしょうね。
余談ですが、公営ギャンブルの選手にもギャンブルが好きな人が多くて、 競輪選手がパチンコ台の前に座っている姿をよく見かけたりしました。
さて、彼は競輪に凝り、休日には必ず競輪場に遊びに行くようになりました。 掛け金も段々とエスカレートしていったそうです。
公営ギャンブルする人には、2種類の人がいます。 「穴」を狙う人、「本命」を狙う人です。 彼は、後者の「本命」を狙う人です。 本命だと当たってもせいぜい2〜3倍ぐらいにしかなりません。
でもね、僕が考える「真のギャンブラー」とは、本命にドカンと大金をかける人です。 彼は、勝っても1.5倍か2倍のオッズのものに1点買いをする人です。 10万円の1点買いで当たれば、数分後には15万円から20万円になるのです。 すごいでしょう!
しかしね、この大本命がなかなか来ないのが競輪なんです。 皆さんんもスポーツ紙を購入して、昨日のレース結果を見ると分かりますよ。 12レース中に本命が来ているのは多くて3レース程度です。
彼はのめり込んでいくうちに小金を掛けるのが物足りなくなり、銀行で300万円を借りて、 一か八か、300万円を2.5倍のオッズに1点買いをしたのです。 そのレースは、全国的な大きい大会の1レースで数億円も動くレースでした。
その1点が結果的に大当たりです。 しかも、最終的なオッズが3.5倍になってました。 つまり、彼の300万円が数分で1050万円に化けたのです。
これが完全に彼の人生を狂わせました。 その後、この1050万円が溶けるのにそんなに時間はかかりませんでした。
熱くなった彼は、とうとう勤め先の売上金に手を出してしまいました。 売り上げの500万円を競輪に掛けてしまったのです。 きっとこんな心理状態ではなかったでしょうか。 「お店からは一時的に借りるだけなんだ。これが競輪で1.5倍になったら、そっと 返せば良いさ、バレやしないよ。」
世の中、そんなに甘くはないです。 500万円は、一瞬で無くなりました。
でも、社長が寛大な人物であり、今回は魔が刺したのであり、改心しているようなので、 今後は給料から天引きで返金する事で彼を許し、首にもしませんでした。
でも、彼は、半年後に競輪場で灯油をかけて焼身自殺をしたのです。
またもや店の売上金1000万円を持ち出して、同じことをしたのです。 外したら死ぬ覚悟で・・・。


<<<S.Hさんの場合>>>
彼女は、30代後半の専業主婦です。 保育所に通う子供が1人、ごく真面目なご主人と家を建てるのを目標にして節約に節約を重ね やっと500万円が貯金できたところです。
しかし、ギャンブルから縁遠かった彼女がある日のことママ友から誘われたパチンコで まさかの大当たりして、10万円も儲けてしまいました。 (ん、どこかで聞いたような話です。😓)
これまでは、節約することだけを考えて、あそこのスーパーで安売りしていたら駆けつけ、 こちらで安売りしていたら駆けつけるというような主婦の鏡でした。
ところが、青天の霹靂が彼女に起きてしまいました。
毎日毎日、娘を保育園に送り届けてから、パチンコ店に入り浸り始めました。苦労して家を建てるために貯金した500万円が溶けて無くなるのに1年もかかりませんでした。
そればかりか、サラ金からも300万円借りてしまい毎月の支払いをすると、もう生活費にもこと欠くようになりました。
ご主人は、そんな事になっているなんて夢にも思ってませんでした。
彼女は、ご主人にいつバレるのかという心配とお金のやりくりと、それでもパチンコがやめられない葛藤でとうとうノイローゼになってしまい、先ほどのパチンコ店のトイレで首を吊って死んでしまったのです。


こんな事が僕の周りで次々と起きたのです。
このまま突き進めば、確実に自分も同じ運命を辿るかもしれないと言う恐怖から、とにかく自力脱出は無理なので、思い余って家族と友達に相談しました。



=============================================== 僕がギャンブル依存症から抜け出した方法とは。 ===============================================

もしも、あなたにパートナーがいるのであれば、包み隠さずにパートナーに正直に打ち明けてください。
このままでは死ぬと思った僕は、家族と友人に素直にギャンブル依存症である事を打ち明け、そこから抜け出したいので協力して欲しいと頼みました。
具体的にした事とは、先ずはお金の自由をなくす事でした。
先ずは、親と姉に頼んでマイナスになっているカードローンを何とか支払ってもらいました。 そして、銀行の通帳とカード類全てを親に預けました。
給料が入金されると、親に借りたお金を支払い、残りは必要時に必要なお金だけをもらうようにしました。
次に友人に毎日家に来てもらいパチンコ店に行かないように見張ってもらったのです。僕たちは、将棋が好きだったので将棋ばかり指していました。おかげで2人とも結構強くなりました。
そんな事をしながら、パチンコ店に行かない日が3日、1週間、10日・・1ヶ月・3ヶ月と続けられました。
半年後には、もうパチンコ店に行かなくてもほぼ平気になっていました。
徐々に冷静さを取り戻してきた自分は「なぜ自分がギャンブルをやっているのか?」と考えれるようになってきたのです。
よく考えて結果「ギャンブルそのものは好きではなく、苦労せずにお金を稼ぎたいとかギャンブルで負けたお金を取り戻したい」事が理由だと気づきました。
更にはパチンコ店に行くと服や髪の毛がタバコ臭くなるし、将来のためにならないし、本当に無駄な時間を過ごしていると考えられるようになりました。
以来30年以上パチンコ店には行ってませんし、ギャンブルそのものに完全に興味がなくなりました。
未だかつてギャンブルで家を建てた人はいないのです。
ギャンブルでは、安定して儲けてられないと言うことが心底分かりました。 さてさて、いかがでしたでしょうか。
もしも、これを読んでいるあなたがギャンブル依存かなぁと思うのであれば、一刻も早くそこから抜け出さなければなりません。
甘く考えてはダメです。
「何とかなるさ」なんて思っても絶対に何ともならないし、借金が膨大になればなるほど誰も助ける事ができなくなります。「自己破産すれば良いじゃん」と思ってもギャンブルが原因の破産は、認められてはいないのです。 まして、ヤバイ先からの借金は命取りです。もう家族も何もかも捨てて、ホームレスとなって逃げ回るしか方法はありません。
あなたにそこまでする根性があるのなら、どうぞギャンブルでも何でも続けてください。
そんな根性もなくて、依存から抜け出して立ち直りたいのならば、今すぐに家族や友人に打ち明けて、方法を見つけて下さい。
その気持ちがあるのなら、決して今からでも遅くはないのです。いくらでも方法はあります。


あなたのご健闘をお祈りしています。