JUDYの事



 

「このレシートはいったい何?」


とJudyが僕の部屋に来て聞いた。
ジュディー サカワイ 日系3世の女性。
ロサンゼルスの事務所は、西海岸と言うこともあって


日系アメリカ人のスタッフが何人か一緒に働いていた。彼女もその一人。
日系アメリカ人の社会ももう3世から4世の時代。外見は日本人のようだけれど、
育った文化はすっかりアメリカ、 日本語も1世のおばあちゃんに教わったという程度の
片言を話す人が多かった。


このJudyはわが社の経理担当。 時々接待で使用する日本レストランのレシートの
日本語がわからないようで、僕のところに来て確認をする。


ある日 僕は以前から抱いていた疑問をこのJudyに尋ねてみた。
「何故 君のファミリーネームは日本人にはまれなワカワイなんだ?」


すると彼女は急に笑い出してこう言った。
「その質問を待っていたのよ」


どうやら彼女はそのわけを話したくて仕方なかったようだ。
早口の英語で楽しそうに説明してくれたので、少し聞き漏らした部分もあるけれど、


彼女の説明はこうだ。

日系1世の彼女のおじいちゃんは鹿児島出身。西海岸で成功しようと移民船で渡ってきた。
着いた港はシアトル。早速 上陸して移民局の審査をうけた。

Stormy Sky, Space Needle, Seattle, Washington, America

英語どころかアルファベットも縁のなかった彼女のおじいちゃん、かなり緊張してらしい。
「坂上」という苗字のSAKAUEを書けずSAKAWAIと書いてしまったらしい。
いや、正確に言うと本人はSAKAUEと書いたつもりだったらしい。しかし審査官は
「サカワイ」で登録し、かくして「サカワイ家」が出来上がって、彼女で3代目。


彼女は楽しそうにこんな話をしてくれた。

「君は修正したいか?確か申請すればできるはずだ」と僕は言った。
「No Way, Tad, I just wanna keep it」彼女は明るくこう答えた。


彼女はきっと未来の自分の家族にもこの話を誇りをもって語り継ぐだろうと僕は思った。


Thank you, my friend, Tad!!
It’s a nice story about Judy.
I think her grandpa was really scared at that time.

 


他の気になる人シリーズは、こちらから⇩

Tracy

気になる人パート2〜引寄せ編〜

気になる人