Bill’s wife’s another sky
ビルの妻のアナザースカイは、バンクーバー、カナダです。


彼女の名前は、クミさんです。今後彼女のことは、クミさんと呼びます。

ビル達は、バツイチ同士の再婚です。


クミさんには、女の子と男の子の2人の子供がいます。


現在、子供達はすでに結婚して子供もいます。


さて、クミさんが嫁いだ家庭は、厳格で古風な考え方を持つ人の一人息子でした。


元夫は、高校時代の同級生です。

面白いことに、クミさんの2人の子供達もそれぞれ、高校の同級生と結婚しています。


一人息子と結婚したので、彼の両親と同居する事が暗黙の了解でした。

舅・姑さんは、古風な考え方の持ち主であり、特に姑さんが「嫁とはこうあるべきもの」と言う典型的な田舎の頭の古い考えの人でした。


なので、嫁には非常に厳しく接し、常に自分の方が嫁よりも偉く、嫁たるもの姑には絶対服従しなければならない、という感じでした。


とにかく嫁いびりが酷く、クミさんの元夫も母親には頭が上がらず何も言えませんでした。


結局離婚したのもこの姑が原因でした。



新築のローンは、若い夫婦が払っているのに、両親は1階部分を陣取り、大きな顔して生活していました。


家事は、全てクミさんがしていました。クミさんも働きながら、育児と家事を全て1人でこなしていました。元夫は、典型的な田舎のボンボンで酒を飲み、喫煙し、ふらっと出かけて中々帰宅しないような人でした。


姑がいちいち嫁の行動に文句をつけるので、外出もままならず、夜に開催されるPTAの行事に参加する事にも良い顔をしないので、愛犬のトチと散歩をするフリをして参加してたみたいです。


こんな環境でしたが、クミさんはこれが普通なんだと諦めていました。


子供達が小学校高学年になると、クミさんはかねてより興味のあった短期留学生のホームステイを受け入れるボランティアを始めました。


色んな国からの学生を合計5人お世話しました。



何人かの留学生は、クミさんの家庭を見て驚いてたそうです。

彼らはクミさんにこう尋ねたそうです。

 

 

 

 

Why are you doing all housework by yourself ?

Why your husband or mother in law never help you ?

What are  their problems ?


どうして家事を1人でしているの?
夫や義母は、どうして手伝わないの?
彼等は、何か問題があるから手伝わないの?



彼らの家庭では、お母さんだけが全ての家事を1人でするなんて、あり得ないからです。

クミさんが英語を習い始めたきっかけは、このボランティアを始めてからですが、

そもそもは、彼女が高校時代にアメリカから女性の留学生がやって来て、ある日偶然にクミさんのバイト先の日本人形店にその娘さんがふらっと来店したのですが、一言も喋れなくて、悔しくて、いつかは英会話の勉強をしたいという気持ちがあったからだそうです。

それを実行できたのが、それから20年後でした。

始めは、日本人の英語教師から教わっていましたが、ネイティブの先生から習いたいという事でご縁があったのが、カナダ人でした。

その先生が元でとうとうカナダ、バンクーバー在住のあるイングランド出身の幼い子供さんを持つクミさんと同い年ぐらいのご夫婦の家にホームステイして、弁当持参でバスに乗り英会話学校に通うという生活を2週間ほど体験したのです。

その時にクミさんは、本当に雷で打たれたほどの衝撃をそのご夫婦から受けました。

そのカナダ人夫婦は、自分と同じように子供が2人いて共稼ぎをしているのに、食事を作ったり、皿を洗ったり、掃除をするのも全て夫が手伝っているというか、2人で楽しそうにしているのです。

そして、最もショックだった事が、週末になると近所の高校生のベビーシッターを雇い、夫婦2人でイングランド風のパブに行き、みんなと酒を飲み、歌を歌ったり、夫婦でダンスをしたりして思いっきり楽しんでいるのです。

こんな事は、自分の家庭では考えられない事です。

いつもいつも姑の顔色を伺いビクビクして生活をしている私というものは、一体何なのだろうと本当に今までの人生について考えさせられたそうです。


日本に帰ってからは、元通りの生活に戻りました。


姑は、相変わらず嫁が子供や夫をほったらかして2週間も家を開けるなんて、全く○○家では考えられない!とぐちぐちというのですが、クミさんは明らかに以前の私とは違うことを心の中で実感していました。


たった2週間の短期留学でしたが、クミさんにとっては、大きい大きい体験でした。

そして、自分の人生を取り戻すきっかけとなったのが、カナダ、バンクーバーです。